ミラノ・コルティナ冬季オリンピック2026で山岳スキー(スキーモ)が新競技として初めて正式採用されました。
スキーなどのウィンタースポーツに馴染みがない方にとってはどんな競技?となる方もいると思います。
ミラノコルティナオリンピックで山岳スキー・スキーモが新競技になると話題になって、日本でも出場できるのでは?という声も一部メディアでは言われていました。
しかし、全世界の出場者エントリーを確認したところ、日本代表選手はオリンピックの舞台に立つことができないという悲劇のオリンピック開幕になってしまいました。
この記事ではミラノ・コルティナ冬季オリンピック2026で新競技・新種目なのになぜ、日本代表は出場できなかったのか、その理由や山岳スキー・スキーモがどんな競技なのか、どの国が世界的に強いのか、オリンピック代表選考のシステムやルール、今後の日本代表に可能性はあるのかなどまとめて行きたいと思います!
残念ながら、日本代表はオリンピック代表枠には届きませんできたが、新種目の山岳スキー・スキーモについて気になる方は最後までチェックしてみてくださいね!
山岳スキー(スキーモ)ミラノオリンピックで日本代表枠なし!出場できないってどういうこと?
ミラノ・コルティナ2026で初めて正式競技となった山岳スキー(スキーモ)ですが、日本は出場枠を獲得できませんでした。

※画像引用:朝日新聞 ミラノコルティナオリンピック日本代表選手一覧表
出場枠は世界全体でわずか男女各18人、合計36人のみです。
この狭き門を突破するには、2024年11月1日から2025年12月21日までの予選期間中に開催されるワールドカップや世界選手権で好成績を収める必要がありました。
さらに、2025年3月にスイスで開催されたISMF世界選手権の結果によっても出場枠が配分されました。
日本からも上田絢加選手や島徳太郎選手といった有力選手が参戦しましたが、世界ランキング上位に食い込むには至らず、オリンピック出場枠の獲得には届きませんでした。
実際のところ、スキーモは発祥地であるヨーロッパの競技レベルが圧倒的に高く、フランス、スイス、イタリア、スペイン、オーストリアといった国々が上位を独占している状況です。
日本は現時点で、世界トップレベルと戦える実力を持つ選手の層が薄いというのが実情です。
そもそも山岳スキー(スキーモ)ってどんな競技?
山岳スキー・スキーモって「山からスキーで降りて来るだけじゃない?」と勝手に思い込んでいたのですが、そうでもないみたいなので、調べてみました。
ミラノオリンピックから正式種目に採用
山岳スキー(スキーモ)は、「Ski Mountaineering(スキーマウンテニアリング)」の略語で、スキーと登山を融合させた競技です。
ヨーロッパアルプスの国境警備隊のトレーニングから生まれたと言われています。
2020年のローザンヌ冬季ユースオリンピックで実施された後、ミラノ・コルティナ2026で初めて冬季オリンピックの正式競技として採用されました。
今回のミラノオリンピックでは、男子スプリント、女子スプリント、混合リレーの3種目が実施されます。
競技の特徴やルール
スキーモの最大の特徴は自然の雪山に設定されたコースをスキーで登ったり滑ったりしてタイムを競うことです。
急斜面や岩場などではスキーを背負い、登山靴で歩行することもあります。
スプリント種目はスタートからゴールまでが見渡せる狭い範囲で行われ、3~5分程度のスピーディーなレース展開が特徴です。
一方、混合リレーは男女各1人が1チームとなり、スプリントをやや拡大したコースを各2周ずつ走ります。
レース中には「登りから滑走」「滑走から登り」へとスタイルが切り替わります。
この切り替えは指定されたトランジットエリア内で作業し、切り替えのスムーズさによって順位が入れ替わることもあるため、レースの見どころの一つとなっています。
道具は登りでの負担軽減のため、かなり軽量化されています。
通常のスキー板は片足で1200~1700グラムですが、スキーモでは約750グラムまで軽減されます。
また、ブーツも通常の1400~1900グラムから約600グラムと半分以下に抑えられています。
選手は安全装備や補給食、水などが入ったバックパックを担いでレースを行います。
ヨーロッパで特に人気の理由
スキーモがヨーロッパで特に人気がある理由は、その発祥の地であることに加え、アルプス山脈という絶好のフィールドがあり、国境警備隊のトレーニングから生まれた競技という歴史的背景もあり、地域に深く根ざしています。
欧州では競技人口が約20万人と言われており、フランス、スイス、イタリア、スペイン、オーストリアといった国々で盛んです。これらの国々では、山岳文化が日常生活に溶け込んでおり、幼い頃から雪山に親しむ環境が整っています。
一方で日本では、スキーモの競技人口はわずか150~200人程度なので、この圧倒的な競技人口の差が、競技レベルの差にも直結しています。
ミラノオリンピック出場の条件と仕組みは?
一部で日本代表もミラノコルティナオリンピックで山岳スキー・スキーモでオリンピックに出場できるのは?と言われていたのですが、出場枠などの基準などが分からなかったので、調べてみました。
出場枠はどうやって決まる?
ミラノオリンピックの山岳スキー・スキーモ競技では男子18人、女子18人、合計36人という非常に限られた出場枠が設定されています。
各国の国内オリンピック委員会がこの枠を獲得するには、いくつかの方法があります。
まず、2025年ISMF世界選手権(スイス・モルジャンで3月2日?9日に開催)の結果によって、混合リレー4枠(男女2枠ずつ)、女子スプリント2枠、男子スプリント2枠が配分されます。
次に、オリンピック混合リレー・ランキングリストおよびオリンピック・スプリント・ランキングリストに基づいて残りの出場枠が決まります。
予選や世界ランキングの基準
今回のミラノコルティナオリンピックに関する予選期間は2024年11月1日から2025年12月21日まででした。
この期間中に開催されるワールドカップや世界選手権の成績がランキングに反映されます。
選手資格リストとランキングリストの発表は2025年12月23日に行われ、最終的な競技エントリー締切は2026年1月26日でした。
つまり、約1年3ヶ月という限られた予選期間の中で、世界トップレベルの成績を残さなければオリンピック出場はできないということです。
新競技とはいえ、すでに欧州で長年競技実績を積んできた選手たちとの差を埋めるには、日本代表選手に取って、この期間は非常に短すぎました。
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日本が山岳スキー(スキーモ)で代表枠を獲得できなかった理由
ここまでの調査でイタリアなどの欧州が地域に根ざされてきた競技で、超強豪ということでした。
日本でもかつてはスキー・ジャンプで日の丸飛行隊と呼ばれた世界に実力を見せつけた時代がありました。
スキーのなかにもジャンルはありますが、他のウィンタースポーツで活躍した先輩方の知恵を集結できなかったのかな?とも感じました、
予選結果や世界ランキングの現状
日本からは上田絢加選手、島徳太郎選手、田中友理恵選手といった選手たちがワールドカップや世界選手権に参戦しました。
2024-2025シーズンのワールドカップでは、島選手と田中選手がスプリントで日本人初となる予選突破を果たし、準々決勝に進出しました。
また、混合リレーでは遠藤健太選手と上田絢加選手のペアがワールドカップ・バルトランス大会(フランス)で決勝進出を果たし、11位という成績を収めました。
2025年4月の日本選手権では、上田選手と島選手がそれぞれ優勝しています。
しかし、世界選手権やワールドカップ全体を通して見ると、オリンピック出場枠を獲得できるような上位ランキング(概ね上位10位以内)には届きませんでした。
日本の競技人口や強化体制の課題
日本のスキーモ競技人口は150~200人程度と、欧州の約20万人と比較すると圧倒的に少ない状況です。
競技人口が少ないということは、競争環境が整わず、選手のレベルアップが進みにくいという課題に直結します。
日本山岳・スポーツクライミング協会は、欧州のスキーモ事情に詳しい外国人コーチやトレーナーの招聘、強化合宿の実施などを進めてきました。
また、クロスカントリースキーやトレイルランニング、マウンテンバイクといった他競技からの転向選手も増えてきています。
実際、バイアスロンで平昌五輪と北京五輪に出場した田中友理恵選手は2023年にスキーモに転向し、すぐに日本のトップ選手に成長しました。
協会は「他競技で強い選手が転向すれば、1年かからずに日本のトップにくるくらい新しいスポーツ」と話しています。
しかし、「日本のトップになる」ことと「世界のトップと戦える」ことには大きな隔たりがあります。
強化体制の整備は進んでいるものの、長年の蓄積がある欧州勢との差を埋めるには、まだ時間が必要です。
ヨーロッパとの競技レベルの差
ヨーロッパの強豪国は、幼少期から雪山に親しみ、山岳スポーツの文化が根付いている環境があります。
フランス、スイス、イタリア、スペイン、オーストリアといった国々では、スキーモの競技インフラや指導者養成システムが長年にわたって整備されてきました。
一方、日本では競技自体の認知度が低く、指導者も限られています。日本山岳ガイド協会が2024年にスキーモの指導者資格制度を新設するなど、ようやく体制整備が始まった段階です。
競技レベルの差は歴然としており、たとえば日本のトップ選手がワールドカップで準々決勝に進出できたことが「快挙」とされる一方で、欧州勢は決勝で表彰台を争っています。
この差を埋めるには、競技人口の拡大、育成システムの構築、国際大会での経験蓄積が不可欠です。
ミラノオリンピックに出場する主な国はどこ?
ミラノ・コルティナ2026の山岳スキー競技(スキーモ)では、ヨーロッパの強豪国が出場枠の大半を占めています。
フランスは圧倒的な強さを誇り、エミリー・ハロップ選手はワールドカップ総合優勝を直近4大会で達成しています。
チームメイトのティボー・アンセルメ選手も2023年と2024年に男子総合優勝を果たしており、2人は混合リレーでも世界選手権連覇を達成しました。
スイスからは、マリアンヌ・ファットン選手、アルノ・リエタ選手、そして双子のロビン・ブサールとトーマス・ブサール兄弟が注目されています。
ブサール兄弟は2020年のローザンヌユース冬季オリンピックで混合リレー金メダルを獲得しており、今回の本大会でも活躍が期待されます。
スペインのオリオル・カルドナ・コル選手とアナ・アロンソ・ロドリゲス選手のペアは、2025年世界選手権の混合リレーで2位に入り、オリンピック出場枠を獲得しました。
カルドナ・コル選手は2023年のスプリント世界王者でもあります。
開催国イタリアも地元開催の利を生かして上位を狙います。
ジュリア・ムラーダ選手とニコロ・エルネスト・カンクリーニ選手は2023年世界選手権の混合リレーで銀メダルを獲得しており、地元の声援を背に戦います。
このほか、オーストリアも伝統的な強豪国として出場枠を確保しています。
欧州勢が表彰台を独占する可能性が高く、初のオリンピック金メダリストはヨーロッパから誕生するでしょう。
日本の山岳スキー競技の現状と選手層
日本での山岳スキー(スキーモ)の競技人口や選手層について気になったので調べてみました。
国内の競技人口や大会
日本国内でのスキーモ競技人口は、現在150~200人程度です。近年はクロスカントリースキー、スカイランニング、トレイルランニング、マウンテンバイクといった競技からの転向選手が増えてきています。
国内大会としては、日本選手権が毎年開催されており、2025年は長野県白馬村と志賀高原で実施されました。
また、富山県黒部市での黒部・宇奈月温泉大会、群馬県片品村の尾瀬での大会など、各地でスキーモ大会が開催されるようになってきています。
2024年2月には、尾瀬アヤメ平で競技活動やジュニア選手の育成支援、スキーモの認知および競技人口の拡大を目的とした大会が開催され、群馬県立尾瀬高等学校の生徒3名も参加しました。このように、ジュニア層への普及活動も少しずつ始まっています。
有力選手や期待の若手はいる?

※画像引用:SKIMO JAPAN公式サイト
現在の日本代表クラスの選手としては、上田絢加選手、島徳太郎選手、田中友理恵選手、遠藤健太選手、萩原悠己選手らが挙げられます。
上田選手は東京の大手飲料メーカーに勤めていましたが、2018年にスキーモと出会い、その後脱サラして競技に専念しています。ウルトラマラソンの経験もあり、持久力が武器です。2025年4月の日本選手権では優勝し、「五輪を目指していたタイプではなかったが、やるからには本気で挑戦したい」と語っていました。
島選手は茨城県出身で、元々はソフトテニスの選手でした。スキーにはあまり縁のない地域の出身ながら、転向後は日本のトップ選手に成長しています。
田中選手は、バイアスロンで2018年平昌五輪と2022年北京五輪に出場した経験を持ち、2023年にスキーモへ転向しました。五輪経験者ならではの国際大会での戦い方やメンタル面の強さが期待されています。
若手の育成については、まだ本格的な選手層の厚みは見られませんが、高校生の大会参加なども始まっており、今後の成長が期待されます。
今後、山岳スキー・スキーモで日本代表が出場できる可能性はある?
競技を見る側ですが、山岳スキー(スキーモ)のオリンピックで新競技と聞いて、日本代表もでれるかも?と小耳に挟んでいたので、結果を見たときは残念でした。
今後のオリンピックに日本代表が出場できるかを予想も含めてまとめてみました。
次回オリンピックに向けた取り組み
次回の2030年冬季オリンピック(フランス・アルプス開催)でも、スキーモが正式種目として継続される見込みです。
日本山岳・スポーツクライミング協会は、2026-2027シーズンに向けた国際競技大会派遣日本代表選手の選考規程を策定しており、継続的な強化体制を整えています。
具体的には、ワールドカップへの派遣選手の増員、国内での強化合宿の充実、海外コーチやトレーナーとの連携強化などが進められています。
また、2025年以降の世界選手権やワールドカップで好成績を収めることで、次回オリンピックに向けたランキングポイントの蓄積を目指しています。
選手たちも、ミラノ五輪には出場できなかったものの、「4年後に向けて頑張りたい」という声が多く聞かれます。今回の悔しさをバネに、次回オリンピックでの出場枠獲得を目標に掲げています。
競技普及や支援体制の動き
日本山岳ガイド協会は2024年、スキーモの指導者資格制度を新設しました。
これにより、質の高い指導者を育成し、競技の底辺拡大を図る狙いがあります。
また、オリンピック採用によってスキーモの認知度は確実に上がっており、マウンテンバイクやクロスカントリースキーなど山を舞台とするスポーツから参入する選手も増えています。
協会は「他競技で強い選手が転向すれば、1年かからずに日本のトップレベルに到達できる」としており、実際に田中選手のような五輪経験者の転向例もあります。
地方自治体や企業によるスポンサー支援も少しずつ増えてきており、選手が競技に専念できる環境づくりが進んでいます。
上田選手のように会社を辞めて競技に専念するケースもありますが、今後は企業所属のまま競技を続けられる環境が整備されることが期待されます。
さらに、ジュニア世代への普及活動も重要です。
群馬県の尾瀬高校のように、高校生がスキーモに触れる機会を増やし、若い世代から競技人口を拡大していく取り組みが各地で始まっています。
まとめ:日本の山岳スキーはこれから!応援しよう
競技人口が少ないですが、可能性がある競技だと感じました。
スキーモ用に靴やスキー板が軽量化されていたりと競技を始めるためのグッズは最適化されていると思いました。
・ミラノ・コルティナ2026で初めて正式種目となったが、日本は出場枠を獲得できなかった
・出場枠は世界全体で男女各18人のみという狭き門
・日本の競技人口は150~200人で、欧州の約20万人と大きな差がある
・上田絢加選手、島徳太郎選手、田中友理恵選手らが日本のトップ選手として活躍中
・ヨーロッパの強豪国(フランス、スイス、イタリア、スペイン、オーストリア)が出場枠を独占
・2030年オリンピックに向けて、指導者育成や競技普及の取り組みが進んでいる
・他競技からの転向選手も増えており、選手層の拡大が期待される
今回のミラノ五輪では残念ながら出場はありませんでしたが、4年後、8年後のオリンピックで日本代表が雪山を駆け上がる姿を見られる日が来るかもしれません。
