2024年パリオリンピックが開幕します。
競技がたくさんあって、日常ではなかなかみれない競技に触れたり、見たりすることができるいい機会だと思います。
パリオリンピックで密かに話題になっているのが、オリンピック競技、近代五種から除外されて、馬術がなくなるということです。
馬術はオリンピックの競技では男女別がない競技でオリンピック開催当初からある競技です。
この記事ではオリンピックで馬術が廃止される理由と近代五種からなぜ除外されるのかをまとめて行きたいと思います。
パリオリンピックを最後に馬術が近代五種から廃止除外なくなる理由はなぜ?
近代五種はオリンピック競技に採用されてから110年以上の歴史があります。
2024年パリオリンピックを最後に近代五種から馬術がなくなる、廃止・除外される理由をピックアップしてみたいと思います。
東京オリンピックの近代五種女子の馬術が発端
近代五種の馬術がなくなる、除外されることになった最大の理由は東京オリンピックの近代五種女子馬術でドイツの代表チームコーチのキム・ライスナーさんが馬を殴ったことが原因で大会から追放処分を受けたことがきっかけです。
コーチが馬を殴ったシーンが全世界に放送され、動物虐待問題として取り上げられました。
■実際の馬術競技の全貌動画
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■コーチが馬を殴ったと言われるシーンの動画
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このときドイツの代表として馬に乗っていたのはアニカ・シュロイさん
コーチが「馬をたたけ」と指示したうえで、コーチ本人も馬を殴っています。
国際近代五種連合が映像で確認し「拳で馬を殴っているように見える」と判断され、ルール違反であるとして、コーチが追放処分をくだされています。
スポンサーリンク近代五種馬術のルールにも問題がある
この馬術で馬を殴る事件で指摘されたのが、近代五種の馬術のルールです。
近代五種の馬術のルールはこちら↓↓
◆馬術
・貸与馬競技であり、選手が抽選で引き当てた馬に、競技20分前から試乗して準備をする。
・全長350m〜450mに配置された12個障害(ダブル障害・トリプル障害×各1を含むので、実質15個)を所定時間内に飛越する。
・2回の落馬またはタイムオーバーの場合その時点で競技中止となり、残った障害の減点等をして、採点がなされる。
・1,200点からの減点方式である。
・主な減点
所定時間オーバー1秒毎:- 4点
障害落下:- 20点
不従順:- 40点
拒止・逃避で障害落下:- 60点
1回目の落馬 :- 40点
2回目の落馬:失権
この件で一番、問題とされたのが、選手が騎乗する馬は試合前の抽選制で与えられてた馬に乗る、なおかつ馬との信頼関係を作る時間は20分のみ与えられること、というルールです。
自分の馬であれば、日々、お世話をしてコンディションを確認したり、コミュニケーションを取ることができます。
しかし、近代五種の馬術ではその時間は試合前の約20分のみで馬は自分で選べないので、
馬にとっても不安だと思います。
選手としてもメダル目前となれば、馬を上手く操れないことはものすごく焦りもでるのは当たり前のことだと思います。
しかし、ドイツ代表選手のアニカ・シュロイさん、コーチのキム・ライスナーさんが馬を殴った行為や接し方について懸念の声が相次いだことでSNSなどで馬術廃止の声が多くあがりました。
このことから、動物愛護団体が国際オリンピック委員会(IOC)に今後の五輪から全ての馬術競技を廃止すべきとの書簡を送っています。
様々議論があった結果、国際近代五種連合(UIPM)が2028年ロサンゼルスオリンピックより近代五種から馬術を除外することを決定しています。
スポンサーリンクオリンピック競技の近代五種とは?
そもそも、オリンピック競技の近代五種について知らない方もいると思うので、まとめてみようと思います。
近代五種とは「近代」と「5種類の競技」という意味で馬術・水泳・フェンシング・レーザーラン(射撃・ランニング)の5種類の競技です。
近代オリンピック創設者のクーベルタン男爵が古代ギリシアで行われていた古代五種(レスリング・円盤投げ・やり投げ・走幅跳び・短距離走)ともとに考案・創設したのが近代五種です。
1912年のストックホルム大会から正式競技となっていて、2000年のシドニー大会からは女子種目も加わっています。
近代五種は「キング・オブ・スポーツ」という別名がついていて、1人の選手が1日のうちに全く異なる分野の競技を全部こなす必要がある体力的、肉体的にも過酷な競技です。
ヨーロッパでは王族・貴族のスポーツとも呼ばれていて、存在感が高く由緒正しい競技かつ、人気があるスポーツのです。
最後まで勝負がわからないことも近代五種の魅力のひとつです。
東京オリンピックで起きた馬を殴ったという虐待事件の影響もあり、
2028年からは馬術に代わって「オブスタクルスポーツ(障害物スポーツ)」が加わります。
オブスタクルスポーツを簡単に言うと、想像しやすいのはテレビで放送されるSASUKEのような感じの障害物を乗り越えていくスポーツです。
通常の馬術はオリンピック競技として廃止されない
「オリンピックで馬術が廃止」と聞いて、近代五種のなかに馬術が入っていることを知らない方もいたと思います。
私もその1人で、『オリンピック競技から馬術そのものが廃止される』と思っていました。
結論は馬術単体の競技はオリンピック競技として廃止・除外されません。
近代五種から馬術を除外することは東京オリンピックでの悲劇・トラブルを受けて、オリンピック競技として馬術を残すための対策のひとつだったようです。
オリンピック競技の馬術を整理してまとめると、、、
普通の馬術競技→2024年パリオリンピック以降も存続
オリンピック馬術の廃止はなぜ?近代五種から除外されてなくなる理由は?のまとめ
オリンピック競技のなかでは歴史ある近代五種の種目のひとつ馬術がなくなることはさみしいですね。
・2024年パリオリンピックで近代五種から馬術が除外される
・理由は東京オリンピックでドイツのコーチが馬を殴って虐待をしたように見えたことが最大の原因
・その他はルールにも問題があると指摘
・近代五種の馬術のルールは抽選で選ばれた馬に乗る、馬とコミニケション取れるのは試合前の20分間のみ
・結果、東京オリンピックのドイツのチームは馬を上手く扱うことができず、殴り、虐待、退場処分
・ちなみに近代五種は馬術・水泳・フェンシング・レーザーラン(射撃・ランニング)の5種類の競技で1日で全種目行う
・2028年からは馬術に代わって、オブスタクルスポーツ(障害物スポーツ)が加わる
・馬術が廃止、除外されるのは近代五種のみで、通常の馬術はオリンピック競技として残る
もし、私が近代五種をやっていて、馬のご機嫌と信頼を20分でコミュニケーション取って、万全な体制にしろと言われても、難しいかもしれません。
歴史ある近代五種の種目が変わってしまうのは残念ですが、気持ちよく競技をするうえでは仕方ない選択だったと思います。