2024年6月15日(土)放送の新プロジェクトXは富士通が開発したスーパーコンピューター京を開発した人たちに密着でした。
かつては世界第2位の計算速度を誇っていた日本のスパコンでしたが、不況などの煽りで開発に膨大な資金がかかるスパコンは縮小傾向になっていきました。
しかし、産業の要となるスパコンは国家プロジェクトとなり、再びスパコンの開発が行われることになりました。
そのプロジェクトに参加したのが富士通のスパコン開発チームでした。
今回の新プロジェクトXはこの富士通の開発チームに密着です。
この記事では新プロジェクトXのスーパーコンピューター京の開発の番組に登場した人物やあらすじ・ネタバレ、感想をまとめていきたいと思います。
新プロジェクトXで富士通のスーパーコンピューター京の開発者に密着
2024年6月15日(土)放送の新プロジェクトXは
「世界最速へ技術者たちの頭脳戦~スーパーコンピューター「京」~」
スパコン京の計算スピードのことは聞いたことがあったのですが、膨大な計算やシュミレーションが可能で色々な分野で活用されていることを知るきっかけにもなると思いました。
登場していない技術者の方もいるようですが、このプロジェクトチームの方が悩みに悩み抜いたからこそ、今のわたしたちの生活のなかで欠かせない技術や製品が出来上がっているのだと感じました。
世界最速へ技術者たちの頭脳戦~スーパーコンピューター「京」~の概要
スポンサーリンク日本の競争力復活を賭けて、スーパーコンピューター「京」の開発に挑んだエンジニアたちの物語。1990年代以降、不況に陥った日本で、産業の要であるスパコン開発は失速した。2006年、その危機を乗り越えるべく、世界最速、1秒間に1京回の計算性能を目指す国家プロジェクトが始動。設計を担当した富士通の切り札となったのは、不器用に生きてきた歴戦の設計者。先人からの技術のバトンをつないだ頭脳戦のドラマ。
※引用:新プロジェクトX公式サイト
新プロジェクトX スーパーコンピューター京の登場人物
元富士通、現役で富士通に関わる方が中心に登場しました。
ミスターコンピューター
池田敏雄さん
奥田基さん
木村康則さん
追永勇次さん
吉田利雄さん
安島雄一郎さん
浅川岳夫さん
イワサキ通信工業社長 菅原新一さん
スタジオゲスト
追永勇次さん、安島雄一郎さん、吉田利雄さん
スポンサーリンク新プロジェクトXで富士通のスーパーコンピューター京のあらすじネタバレ
あらすじの一部をピックアップしてみました。
アメリカに恐れられた日本のスパコンの計算スピード
日本は独自に開発することは無理と言われていたスーパーコンピューターを国産で開発をして世界をおどろかせていました。
その開発を率いていたのがミスターコンピューターと呼ばれた「池田敏雄さん」
1993年には世界のトップマシン500台のうち100台以上が日本のものでしたが、急速に凋落して、イギリス、ドイツ、フランス、そして中国に抜かれいます。
開発力でアメリカの脅威となり、アメリカは高い関税をかけ、日本メーカーのスパコンを追い出しました。
不況などもあり、富士通は大量リストラ
アメリカの影響や不況に陥ったこともあり、日本メーカーは巨額の開発費に耐えられず、事業を縮小していきました。
その影響で富士通は2万人を削減するリストラを行い、スパコン開発部門も縮小に追い込まれていました。
そんななか、奥田基さんはスパコンが技術開発を根こそぎ変える未来を見ていました。
国家プロジェクトとしてスパコン開発が決まる
2003年覇権を握るアメリカが次世代のスパコンを目指す国家プロジェクトを始動をさせ、民間だけでは作れない圧倒的なスパコンで他国を一気に引き離そうとしていまいした。
日本もアメリカを追うように国家プロジェクトを本格的に始動させ、富士通は激論の末に参加を決定した。
しかし、スパコン事業を縮小してから7年経過をしていたため、開発に関われる人材が不足していた
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開発の中心は若手だが、歴戦を経てきたエンジニアが欲しい
開発を率いた木村康則さんは「世界のトップと戦える設計部隊をもう一度作れるかどうか」が最大の懸念事項でした。
組織も人もいない、お金もないなかでどうやって開発部隊を作り上げるかが課題
開発の中心は次世代の開発部隊を育成する目的で若手中心と決めていたが、経験の浅い若手エンジニアを導ける歴戦のエンジニアがどうしても必要でした。
ベテラン達の意見が一致した人物は「追永勇次さん」
ミスターコンピューター池田さんのチームで入社2年目で中心回路の設計リーダーに抜擢された人物でした。
しかし、追永勇次さんは『もう、50も半ばで自分が出る幕ではない』と一点張りでチームに参加を拒み続けます
世界一に向けた設計が始まるが高すぎる目標値
2006年9月 切り札となる中心人物が不在のまま、世界一に向けた設計が始まります。
CPU開発担当 吉田利雄さんが伝えられた開発の目標値は
・計算性能は従来より200%UP、性能3倍
・消費電力は半分
吉田利雄さんは「できる、できないではなくて、ひたすらどうやったらできるかを考え続けるしかなかった」と
ベテラン開発陣は引き続き、追永勇次さんのチーム参加への説得を続けます。
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CPUをつなぐ画期的なアイディア
CPUとCPUをつなぎ方、インターコネクトのつなぎ方一つでスパコンの計算スピードが変わる
8万個のCPUをどのように繋げば、最も効率よくデータの渋滞が起きずに計算ができるかを考えて(開発)していたのが安島雄一郎さん
開発研究所内で名の知れた変わり者として知られていました。
安島雄一郎さんはCPU同士を立体的につなぐ難解なアイデアを提案し、和のようにつなぐ形から豆腐トーフ。可愛らしい名前を付けていました。
しかし、トーフの中身は凄まじく難解で周囲は理解できなかった。
安島雄一郎さんの上司 木村康則さんは安島さんの才能を買っていたが、
難解なトーフに掛けていいのか?自信がなかった
そのためにも安島さんを導いてくれる人が必要でした。
それが、チームに参加を説得しつづけている追永勇次さん
ようやく統括する人物が決まる
追永勇次さんを説得し続け、スパコン開発チームに参加を肚を決めました。
『これが最後の開発。 次の世代に自分が学んだ全てを伝える。』
説得を続けていた木村康則さんは追永さんにマシン全体の開発統括を依頼しました。
怪獣同士の戦い
追永勇次さんがスパコンの開発に参加すると、間もなく周囲で「怪獣同士の戦い」と呼ばれる論戦が開幕
論戦しているのはトーフを開発した安島雄一郎さんと歴戦をくぐり抜けてきた追永勇次さん
激論のなかで追永勇次さんは安島雄一郎さんが開発したトーフでデータの渋滞が発生する場所をきっちりと指摘しています。
急所を突かれた安島雄一郎さんは追永勇次さんを『この人とは技術で話せる』と思ったひとりでした。
CPUをつなぐ変更は次が最後、アイディアが降りた
様々な意見や知見を取り入れてきた、CPU同士をつなぐアイディア「トーフ」
2007年開発は霧の中
追永勇次さんは安島雄一郎さんに「次が最後の変更」と告げた
安島雄一郎さんが出すアイディアを追永勇次さんの責任で採用する
前提条件を変えていい、コストをかけていいから性能をもっと上げてと要求されていた
ついに画期的なアイディアが降りる
新婚だった安島雄一郎さんは休日に奥さんとショッピングに出かけたときにエスカレーターを上り下りするうちにひらめいた「3次元×3次元、6次元だ」
安島雄一郎さんのアイデアは12個のCPUを三次元的につなぎ塊にして、その塊同士をさらに3次元でつなぐ名付けて3次元。
どこかが渋滞しても、データが自由に迂回できる画期的なアイデアでした。
このアイディアを聞いて、追永勇次さんは即採用、ゴーサインを出しました。
スポンサーリンク開発から3年スパコンの頭脳が完成
トーフの開発と同じ頃、性能3倍電力半減を目指すCPU開発部隊も奮闘を続けていました。
最難関の回路を担当する吉田利雄さんは設計案を固める1ヶ月前になってもアイディアが降りていませんでした。
ある時、吉田利雄さんが自宅でまどろんでいたとき、常識破りのアイディアが降りてきました。
「ある回路を付け足すと、計算データを記憶装置から圧倒的に効率良く取り出せるうえ、そうなれば計算速度は跳ねがり消費電力は下げられる」
ひらめきをチームに伝えると現場は沸き立ち、ついに設計が完成
開発から3年、ついにスパコンの頭脳が完成した瞬間でした。
国の事業仕分の対象になるが、事業継続
2010年9月、スパーコンピューター京の設置が開始しましたが、 直前には政府の事業仕分けの対象にも上がったが、開発の継続が認められました。
スパコン京をつなぐケーブルを生産していた工場は宮城県で2011年3月の東日本大震災の被害に遭っていましたが、2週間で生産と出荷を再開し、京の納期に間に合わせています。
スポンサーリンク途中段階の性能テストで世界一の記録更新
2011年6月7日
途中段階での性能テストを実施し、結果は1秒間に8000兆回でいきなり世界記録を更新
最終テストと運用開始
そしてフルスペックで挑んだ10月8日
結果は22時間以上止まらずに方程式を解き終えた。
1秒間に1京回の計算を達成し、アメリカ、中国をぶっちぎりで上回るスピードを叩き出すことにも成功しています。
2012年の運用開始から1万人以上の研究者に活用されています。
2020年に京の後継「富岳」が誕生、世界一ではないが、利用しやすいマシンに進化をしています。
スポンサーリンク新プロジェクトXで富士通のスーパーコンピューター京の感想
SNSで開発の中心人物が取り上げられていなかったと話題になっていました。
数百人もいるプロジェクトチームのなかでどこのチームを取り上げるかによって番組の構成なども変わると思います。
色々な意見がありますが、プロジェクトチームがいくつかあるところで中心的人物に今できる取材をして番組を作成したのかな、とも感じられました。
期待していた関係者の方は残念な気持ちになるのも仕方ないのかな、とも思います。
【新プロジェクトX】スーパーコンピューター京(富士通)の登場人物・ネタバレあらすじと感想まとめ
・新プロジェクトXでスパコン京の開発秘話
・単独で開発が無理を言われていたスパコンを日本は開発できていた
・かつては世界2位の計算速度を出していたが、アメリカの脅威となり、失速
・不況などもあり、日本国内のスパコン開発は衰退
・アメリカでスパコン開発の国家プロジェクトが発足し、日本も後を追う
・日本の国家プロジェクトに参加したのは富士通のスパコン部門
・富士通のスパコン事業は縮小していたため、主力の人材不足
・スパコンの開発は若手中心だが、歴戦のエンジニアが欲しかった
・白羽の矢が立ったのはミスターコンピューター池田さんのチームにいた追永勇次さんだが断り続ける
・求められるCPUの性能は従来の3倍、消費電力半分
・CPUをつなぐ技術「トーフ」を開発したのは安島雄一郎さん 研究室で変わり者と言われていた
・CPU開発担当は吉田利雄さん ギリギリまで画期的なアイディアが降りなかった
・最終的に追永勇次さんは『これが最後』とスパコン開発に参加
・開発から3年スパコンの頭脳CPUが完成
・2010年設置開始
・テスト運用で1秒間に8000兆回でいきなり世界記録を更新
・フルスペックで挑み、22時間止まらずに方程式を解いた
・1秒間に1京回の計算を達成し、世界でぶっちぎりの速さを達成
・2020年に後継機「富岳」が誕生
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